on> セラドンメンテ
素焼き陶磁器の手入れ
セラドンのような磁器は、特別な手入れは必要は有りませんがセラドンの中にはわざと釉薬をかけず地の色を生かした製品が有ります。(一部釉薬がかかっていない正員も有ります)
お手入れが悪いと時としてトラブルに見舞われることが有ります。
そんなときは以下のような方法でトライしてみて下さい。
焼物修理法 本多郁雄 著 里文出版 より
陶 器 篇
陶器は今までに述べた磁器類と異なり、土ものとも呼ばれ、吸水性のあるやきものです。
それ故に、一般的にはよく味のつくやきものともいわれています。
茶碗の順位を表して「一楽・二萩・三一唐津」とか「一井戸・二楽・三唐津」とかいいますが、茶碗等の良し悪しは別として、これ等は皆陶器であり吸水性を持つやきものに他ありません。
「雨漏り手の茶碗」即ち「水漏り手の茶碗」であり、貫入等が特に吸水性が良くなっているのです。
お茶を飲んだりお酒を呑んだりして、度重ねて使用されるに従って次第に茶渋のタンニンとか、酒の糖分その他、有機化合物等々が着色変化して味わいを深めていくのです。
即ち、やきものは呼吸をしていると考えてやればよいのでしょう。
死んだ茶碗を生かす法
萩茶碗は、便用していたものを途中でホッておくと茶碗が死ぬ、とかいわれますし、最近では、萩焼のとくりとかぐいのみ等の注意書きとして「化学洗剤は使用しないで下さい……」等と書いたものに出合うと思います。
この注意書きは大変親切であり、また大切なことなのです。
私の友人が最近萩焼とくりを入手し時々酒を燗して飲んでいたけれど、夏場はウイスキーとかビールで過ごし、この冬になって酒を燗したところ、酒が茶色に変色し、異様なにおいをはなち、いくらとっくりを水洗いしても、酒がまずくて飲めないとこぼしておられました。
こんな場合をとっくりが死んでいると呼ぶのです。
とっくりにかぎらず、茶碗、ぐいのみ等も軟陶であれば萩焼にかぎらずこのことは当然起こり得ることでしょう。
即ち吸水性があるからです。
また、化学洗剤で洗えば、洗剤のにおいを吸収するのでこの点も注意しなくてはならないでしょう。
これを防ぐには、便用前に水につけておき、充分に吸氷した後で使用し、また、使用後も流氷につけ、よく洗った後にしまい込むよう心掛ければまず大丈夫だと思います。
または常時使用するよう心掛けるべきでしょう。
それでは、死んだ器を生かす(器が蘇る)にはどうするかについて考えてみましょう。
死んだ器とは即ち吸水性のある部分によごれが付着し、化学変化とか微生物(カビ、アメーバー雑菌その他)による変化をおこし異臭を発するようになったものであり、これを取り除くことにより、呼吸をする生きた器に蘇るのです。
但しこの手法により器自身についた味は無くなっていきますから、この点はまたあらためて使用しながら出していくこととなりますが、生かすか、死ぬかの瀬戸物ならぬ瀬戸際ですから、よく考えてからにして下さい。
一番簡単な手法としては、器を水に一日ほどつけておき、鍋に水をたっぷりと入れ、器を入れて必ず水から煮る(中火)ことです。熱湯に入れると割れることがあります。
水温が上昇し、沸騰してきたら火を弱め、数時間煮て下さい。
この時、最初の沸騰後五分間ぐらいで湯が茶色くにごり異臭の強い場合は、一度器を取り出し、よく冷ました後また水から煮ることを再三くりかえして下さい。
この時の注意としては、とくりのようなものは、必ず口を上に向けて煮ることです。
茶碗・ぐい呑みも同様に、湯が沸騰した際に器の中の空気が膨張し鍋の中でたおれてこわれることがあるからです。
以上の注意点は充分に頭に入れてから取り掛かって下さい。
煮てもまだ異臭の残る器の場合は、手近な手法として、ハイターとかオーヤラックス等透明の漂白液につけ込めば、そのよごれの程度により一日から十日ぐらいで綺麗になります。
但し器に色絵(赤・金・銀等)の入ったものはこの手法がつかえません。
この手法については前項を参照してみて下さい。
漂白液より取り出したらよく水洗いし、その後でまた煮る手法を行ないます。
この場合は、沸騰したらすぐに湯を取りかえ、また水から煮ることです。
この時、換気に気をつけて下さい。
蒸発した漂白液の臭気が部屋に立ち込めないよう気をつけることです。
煮る回数は七〜十回ぐらいくりかえし行なって下さい。
完全に臭気が抜け切れば出来上がりということです。
最後の仕上げは二、三時間ぐらい煮ることです。
気長にかまえて死んだ器を蘇らせて下さい。
注意事項
器を水に入れて者〜る場合、布切れとか、ガーゼにくるんで煮ると安全です。
また、重曹水を利用すると良いでしょう。この場合重曹水で煮ても大丈夫です。
もっとクセを取りたい場合は、炭(木炭)をガーゼか布袋に入れて一緒に煮ると脱臭効果が増します。
さて「死んだ茶碗を生かす法」について、この通りに実行したがまだ異臭が残るとの質間を受けたことがありました。
このような場合は「とくり」とか「つぼ」等によく見掛けられるのですが、油入れとして用いられたものに強い悪臭が残っているようです。
これはなかなかにくせもので、「オーイ、キムコ!(当時の脱臭剤ごてな調子にはなおりにくいものです。手近な手法としては、ベンジン・シンナー・アルコール・ガソリン等の中に、そのよごれの程度により数日から十日ぐらいつけ込んでおきます。この場合は火気、子供、その他消火の点等についても充分に注意して下さい。これらの溶解液を少量ですますには、ポリ袋(三重ぐらいにする)の中に「とくり」等を入れて溶解液を加えれば比較的少且里でつけ込めます。但し、薬液の種類によってはポリ袋を溶解する場合もあるので、その点にご注意下さい。
さて、つけ込んだ器と取りだしたら別述の「死んだ茶碗を生かす法」に従って処理して下さい。
またハノターとかピュアラックス、オーヤラックス、その他現在では無臭性入れ歯洗浄剤等もありますが、それらの代わりに希塩酸(10パーセント前後)を使用すればもっと早く出来上がるでしょう。
トロス
代表者:阿部 正敬
東京都江戸川区松島2丁目

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